介護職員初任者研修の誕生

ホームヘルパーという呼び名は、介護福祉士や社会福祉士のような資格名を指すものではありません。この呼名が使われ始めたのは、恐らく、1990年の高齢者保健福祉推進10ヵ年戦略だと思われます。それまでホームヘルパーという言葉を使う人は誰もおらず、ホームヘルパーのような仕事をする人を「家庭奉仕員」などと呼んでいたのです。その後、徐々にではありますが、日本社会における高齢化の問題が顕在化してくると、高齢者の在宅介護をする人のニーズが高まり「ホームヘルパー」という言葉が登場したのです。

ホームヘルパーという言葉は日本社会に広く浸透したとはいえ、ホームヘルパーになるための資格など当時存在しませんでした。呼び名が変わっただけで、家庭奉仕員と特に大きな違いがなかったというのが正しい見解だと言えるでしょう。そこで厚労省が、1991年にホームヘルパー養成研修のカリキュラムを作成しました。3級・2級・1級と区分し、さらにその上位資格として継続研修というものを設けました。それぞれの研修課程を修了すると、晴れてホームヘルパー1級・ホームヘルパー2級・ホームヘルパー3級として認定されることになったのです。

1つ気をつけなければならないことは、ホームヘルパーの資格は国家資格ではありませんので、特に無資格で働いていも法律で罰せられることはありません。じゃあ何のためにあるの?という声が聞こえてきそうですね。意味としては、介護事業者がヘルパーを雇う際に、そのスキルや知識を量るためのもの、というの1番ではないでしょうか。

特に入浴等の身体介護を受ける際は、一歩間違えれば大きな事故に繋がることも考えられます。そこに全くの素人が来たら介護利用者やその家族はどのように思うでしょうか。不安ですよね。そんな時に、そのスキルを証明できるようなものがあれば、信頼関係を築くことに繋がります。

先にも述べた通り、ホームヘルパーの資格は、国家資格ではありませんが、介護保険においては、保険給付内のサービスを利用者に提供する場合は3級以上の資格取得が義務付けられています。現在では、介護保険制度適用を前提としておりますから、資格を持っていない人を雇うことはほとんどありません。これから介護の仕事に従事したいと考えるならば、最低2級以上は取得しておくことをおすすめします。

また、ここまでお話してなんですが、現在ではホームヘルパー3級・2級は廃止され、介護職員初任者研修に名称変更となっています。またホームヘルパー1級・継続研修も廃止され、介護職員初任者実務者研修と名称変更となっています。